山村商店について

Company Profile

代表メッセージ

代表取締役
山 村 幸 夫

当社は先代の山村精(まさし)が昭和23年、米沢織物の買い継ぎ商(生産者と問屋との取引の仲介業)を始め、北海道から東海道、京都まで商いを広げた。着物が飛ぶように売れたのはイザナギ景気(1965~70年)の頃で、その後化学繊維、化学染料、機械化による大量生産が隆盛を極めるようになり、手間ひまのかかる手作りのものは一気に失われていった。

以前より柳田民俗学や柳宗悦の提唱した民芸の心に共鳴していた先代は、手わざによるものづくりとその背景にある歴史、生活文化が共に姿を消す前に残したいとの思いから、東北各地の山間部や農村地帯を探し訪ねた。

昭和40年代初めの頃、山形県と新潟県の山間部にかすかに命脈を保っていた「しな布」と出会った。始めの頃2か所の集落で始まった取組はその後増えて6か所となり、総勢150余名の女性たちにより約10種類以上(しな布・藤布・楮布・麻布・いらくさ布・葛布・からむし布とかぜんまい織・紙布など)の復元に至った。

当時は原始布・古代織への理解者も少ない時代であったが、昭和47年に工房「出羽の織座」を設立し販売に本腰をいれる。復元する為に収集した古資料や織機などを多くの人たちに見て参考にしてもらう為、昭和58年に「原始布・古代織参考館」を開館。

現在は原始布・古代織に限らず織物をとりまく環境は流通や需要の面でも実に厳しい現実であります。
しかし細々と行っていても、恒例になっている春の仙台や夏の東京での展示会ではきちんと結果がついてくる。きちんと背景を分かり買って下さる方がいる。そういう確かな手応えを感じられることは実に幸福なことだと思います。

会社概要

名 称

株式会社山村商店

所在地

〒992-0039 山形県米沢市門東町1丁目1-16

電 話

0238-22-8141

FAX

0238-22-8142

代表者

代表取締役 山村 幸夫

資本金

1,000万円

設 立

1959年5月2日

事業内容

原始布・古代織の商品企画・製造・販売、資料館運営

山村商店のあゆみ

昭和23年(1948)

創業(産地織物取扱業)

昭和40年(1965)

日本古代織物に着手

昭和44年(1969)

日本原始布、古代織物復元と存続に取組む

昭和45年(1970)

山形・新潟両山間部の村落に技術指導を行うと共に古代布保存会を設立、しな布の存続に着手

昭和46年(1971)

つづれ織、紙布、ぜんまい織の復元

昭和47年(1972)

山間部村落にて編組品(蓑、笠、かご)の振興に協力
研究工房・出羽の織座設立

昭和49年(1974)

福島県大芦、大岐の村落でからむし布と麻布の存続に協力

昭和50年(1975)

楮布(こうぞふ)を復元する
津軽こぎん・南部菱刺・庄内刺子・正藍染の存続に協力

昭和51年(1976)

琴糸織・藤布を復元する

昭和54年(1979)

木綿わたの手引糸・手引木綿布布を復元する

昭和55年(1980)

桑紙を復元する

昭和56年(1981)

葛(くず)布の復元

昭和57年(1982)

山からむし・野からむし等による草布を復元する
(財)ポーラ伝統文化特賞受賞

昭和58年(1983)

原始布・古代織参考館開館

昭和59年(1984)

縄文編布(あんぎん)に取組む

昭和61年(1986)

山熊田部落民一同より感謝状と仔熊の剥製一基を授与される

平成元年(1989)

蕁麻(いらくさ)布を復元、双紙布(たて・よこ紙)を復元
大般若心経文紙の「祈りの紙布」作成

平成3年(1991)

三宅一生氏主催「原始布を見、語り、考える会」

平成13年(2001)

「上杉からむし文化の彩・鷹山のなせる織物と復元」展開催

平成14年(2002)

「原始布」展開催

平成15年(2003)

酔芙蓉布を復元する

平成16年(2004)

9月に懐中紅を創作(紅花染による酔芙蓉布を使用)
(米沢鈴木孝男先生の特許による本紅)
10月1日に出羽の織座米澤民藝館を開設
開設記念展「思いをこめた北国の刺しと真田帯の技」開催

※昭和63年(1988)より平成 16年まで「原始布・古代織への誘い」展を展開
 以後、年に一回・東京交通会館展と仙台メディアテーク展を開催している

出版物のご案内

山村 精が、心血を注いで収集した貴重な資料と研究を「(株)山村商店」「出羽の織座」「原始布・古代織参考館」が企画展示、編集した図録・冊子をご紹介致します。
購入をご希望の方は、出羽の織座、展示会場に足を運んでいただくか、お問い合わせフォームにてご連絡お願いいたします。

「結(ゆ)い」に魅せられて

A5版 54ページ/発行日 平成10年3月1日/定価1,200円

東北の山間部でシナ布が細々と織られているのに出逢う。昭和40年代始めの頃である。老媼(ろうおう)のすさまじいまでの生きざまの話、自然の恵みを感謝し敬う暮らし、重い荷物を背負い隊列を組んで雪道を踏破して行く力強い心。厳しい自然の中で互いに助け合う「結(ゆ)い」の心に魅せられ、
原始布・古代織の存続と復元にかけた。織り手は少なくなったが、山の女達(ひとたち)と歩んだ歴史は布に刻まれ、全国を歩く。原始布・古代織の存続と復元の記録。「原始布の糸」実物見本、榀(シナ)・藤(フジ)・蕁麻(イラクサ)・ 山麻(ヤマアサ)・苧麻(カラムシ)の内1種貼付。5種類あり。

「原始布」ー今、見つめ直される北からの衣文化ー

A4版図録 68 ページ/発行日 平成14年8月20日/定価3,800円

太古の昔、東北や北海道は人知れぬ未知の世界であった。しかし、そこには人間生活としての根幹を成す文化が生まれていた。山野に自生する樹皮や草皮を剥ぎ布とした原始布には、その地に生きた人たちが風土と一体となり培った文化が今なお脈々と生き続けている。北の原始布とアイヌの衣は、自然を神と敬い日々敬虔な祈りを捧げた人たちによって生み出された。それは祈りの布であり、日本衣文化の根元といえる。「原始布の糸」 実物 見本6種を貼付。

「上杉からむし文化の彩り・ 鷹山のなせる織物と復元」

A4版図録 62ページ/発行日 平成13年7月1日/定価2,000円

上杉城下町の米沢ではかつて、青苧(からむし)の生産を奨励し、越後上布や奈良晒(ならざらし)などの原料として各地に送り出し、米沢青苧として名を馳せていた。そして鷹山の時代、城下の織物はからむし布から絹織物への転換が図られ、現在の米沢絹織物の始まりとなった。江戸時代の贅(ぜい)を凝らしたからむしの衣と米沢織物の源流を辿ることにより、当時の上杉衣文化の思いを感じて欲しい。

ー北の民のたくましきすぐれた技一
「蓑・ばんどりの美」

A4版図録 142ページ/発行日 平成14年12月20日/定価3,500円

山野に自生する植物を材料とし、綯(な)う、組む、編むの技を発揮して様々な生活用具を作る。少し前までは当たり前のことであった。東北では技の粋(すい)をきわめた優れた蓑・ばんどり (背中当)が多く生まれた。しかし通去の遺物となり、男達の優れた技は消えようとしている。先人が生み出した技術と意匠の力強さ、優美さを後世に伝え残したいとの思いで実測図を掲載した。雪に閉ざされた長い冬が生みだした世界に誇る手技は、見る人に新たな感動を与えてくれる。

古代の編具と織機

B5版 27ページ/発行日 平成18年5月27日/定価1,300円

当館所有の古代の織機と縄文時代の編衣を編んだ編具や道具、及び弥生時代の型式を残す織機、地機や近世に普及した手織機の解説を、分かり易く記述している。又東南アジア、中国、台湾、ネパール等の山間部で、今も原型を残して使用されている織機も記述されている。

出羽の織座 美しき手技

A4版 36ページ/発行日 平成22年9月1日/定価1,500円

今まで研鑽をつまれ卓越した技術で原始布存続のために作品を作って下さった緒先生方の記録を11種類の布の作品の明細を参考記録としてまとめました。
開館当初より当館を訪れて下さいました多くの方々よりアイデアを頂き創作した作品を見ていただきたいと思います。

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